化学も注文に応じて作るシェフビジネスの時代。提供できる価値を最大化するため、努力を惜しまず動く。 研究開発 大石 晃弘 Akihiro Oishi 2013年入社 研究開発本部 合成化学品研究所 ポリウレタンCASE開発グループ 自然科学研究科 理学専攻(化学コース)修了

プロフィール
学生時代は有機合成の分野で反応の仕組みを研究。就職では化学業界に進みたいと考え、まず仕事のイメージをつかむため、先輩に勧められて三井化学のインターンシップに参加した。そこで生産技術の仕事を体験すると共に、先輩社員たちが忙しい中、ていねいに生産技術から社会人としての心構えまで教えてくれる姿に感動。その後就職活動で色々な化学メーカーを回ったが、三井化学社員たちの前向きで誠実な人柄に魅力を感じ、入社を決めた。

開発担当として海外の顧客を訪問しながら、
ビジネス推進の一翼を担う。

プラスチックの表面改質材の分野で、水に分散した状態で使用する水系ポリウレタンの開発と顧客向け技術サービスを担当しています。ふだんは研究所で製品の開発や性能評価を行っていますが、必要に応じてお客様を訪問し、技術的な情報交換や提案などを行います。実際に製品の開発を担当している技術者が話を聞き、説明した方がお客様の技術的課題やニーズの抽出が容易になり、案件を効果的に前進させることができます。

かつての化学メーカーは生産ありきで、大量に作ってから売り先を探すというファーマー(農民)型のビジネスをしていましたが、今は機能・性能を細かく要求される製品が増え、シェフ型つまりお客様の注文に応じて作るビジネスが増えています。研究開発者もお客様のところにどんどん出かけ、ニーズを引き出し、理解し、提案することも重要な仕事になっています。

お客様は海外企業も多く、基本は本社事業部の担当者と技術者が現地拠点の担当者・技術者と協力して対応していますが、求められれば研究所から開発担当が出向きます。私が初めて海外出張したのは入社2年目。インドでの営業活動に研究所の開発技術者も同行してほしいと事業部から依頼があったとき、上司から「大石、行ってみないか?」と声をかけてもらったのです。経験も知識も浅く、語学力も乏しい自分が行ってもいいのかという思いもありましたが、せっかくのチャンスなので二つ返事で了承。案の定、コミュニケーションには苦労しましたが、図解やボディランゲージも交えてなんとか任務を果たし、それ以後ASEAN、インド、中東までたびたび出張しています。

お客様のニーズに応えために、
あらゆる努力を惜しまない。

こだわっているのは、お客様のニーズに応えるために努力を惜しまないこと。お客様が求めていることを理解し、有効な提案をするためには、材料に関わる化学的な知識や技術だけでなく、お客様の塗布方法や加工条件など様々なことを知る必要があります。

特に海外のお客様は、直接訪問して技術に関する意見交換や実機を使った試験の立ち会いや指導などを行うことで、ニーズの背景や加工の環境など、現地に行かなければわからないことを理解することができ、開発に大いに役立っています。

もちろん開発には地道な試行錯誤が必要で、なかなかいい結果が出ないこともあります。そんなときにお客様を訪問するのはつらいものですが、あるお客様から「あなたと一緒にがんばっていきたい」と言われたことがあります。その方の熱い気持ちが伝わってきてこちらも元気になり、力を合わせて知恵を絞ることで課題を克服でき、開発を前に進めることができるようになりました。ビジネスですから結果は大事ですが、その結果を出すには過程が大事であり、過程でいい仕事をすることにも大きなやりがいがあることを学んだ出来事でした。

製品に飛躍的な進化をもたらす
ブレークスルーを起こしたい。

これからの目標はまずひとつの製品を一から作り、お客様に届けるところまで経験すること。今担当しているのも開発には違いありませんが、お客様の要望に応えて改善、カスタマイズを行うマイナーチェンジです。これを経験しながら力をつけたら、もっと大きな進化、技術的ブレークスルーを実現したい。

たとえば既存製品の性能を2倍にするのはカスタマイズで可能ですが、10倍にするには全く別の新たなアプローチが必要になります。そこまでの性能アップはそもそも可能という認識がないので、お客様とのやりとりから出てくることはありません。それを可能にすることが、研究開発者の夢です。

こうした研究開発のアイデアはすでにいくつか持っていますし、上司も担当案件を進めながらであれば、いくらでも好きにチャレンジしていいと行ってくれています。既存品の改訂だけでは事業の成長は望めませんから、新しい創造的開発をどれだけできるかに会社の命運がかかっていると言ってもいいでしょう。それができるのが研究開発の魅力だと思います。

大石 写真

1日のスケジュール

8:30 出社
メールチェック
9:00 実験の仕込み
物性を測定しているサンプルを回収し、データをとり、新しいサンプルをセットして次の測定をスタート
9:30 チームミーティング
10:00 加工評価室で加工した製品のテストと評価
ほかに合成室で新製品のための合成実験を行うなど、日によって様々な実験・評価を行う
12:00 昼食
袖ヶ浦センターの社員食堂でチームの仲間ととることが多い
話の内容は仕事三割、プライベートな雑談七割だが、チームワークを強固にするための貴重なコミュニケーションの機会でもある
13:00 実験
午前中からの続き
18:00 デスクワーク
データのまとめやお客様からのメール対応など
19:0020:00 退社