化学物質マネジメント

化学物質マネジメントの推進

グローバル化にともなう法規制対応の強化

WSSD目標の達成に向け、欧州REACH規則はもちろん、2015年からはアジア各国の法規制施行が活発になっています。韓国では「化学物質の登録及び評価に関する法律」(化評法)の第1次登録対象510物質が2015年7月に公示され、登録に向けて動き出しました。台湾では「毒性化学物質管理法」の既存物質第一段階登録が2016年3月末に登録期限となりました。

三井化学グループは、グローバルに事業を展開していくために、各国の化学物質管理政策および法規制の最新動向を把握し、タイムリーな規制対応に努めています。一般社団法人日本化学工業協会をはじめとする業界活動への積極的な参加、現地関係会社および現地コンサルタントとの緊密な情報交換等により各国の法規制情報をいち早く入手し、コンプライアンスの徹底に取り組んでいます。
また、事業部およびコーポレートの各部門が参画する「グローバル化学品規制対応チーム」のミーティングを毎月開催し、社内横断的に最新動向を共有し、法改正に向けた全社対策を迅速に実施しています。

韓国においては、現地関係会社の化評法共同登録パイロットプロジェクトへの参画を通じて共同登録の課題を抽出し、当社製品の登録準備に活かしています。また台湾においては早期に代理人の選定と輸入者の特定を進め、当社製品の第一段階登録を期限内に完了しました。欧州REACH規則では、ECHA(欧州化学品庁)やEU加盟国当局による物質の評価(Evaluation)が進んでおり、その動向の把握と、必要な対応を引き続き確実に行っていく予定です。

各国で拡大する化学物質管理の強化

各国で拡大する化学物質管理の強化


化学品安全情報システムを基盤とする管理体制の定着

三井化学の化学物質マネジメントは、化学品安全情報システム(SAP-EHS)を基盤としています。 本システムは、三井化学で取り扱うすべての製品、原料および化学物質情報を一元管理しています。また、基幹業務プロセスとの連携により、国内外法規制への法適合確認、製造・輸入数量の管理、多言語SDS※1、製品のラベルおよびMSDSplus※2などの安全性情報の自動作成等、顧客への情報提供の迅速化や化学品法規制に関わるコンプライアンスを強化できました。
2015年度は、台湾の規制に対応するSDS作成の自動化に取り組みました。現在は、欧州、米国、韓国および台湾の規制に対応するSDSが自動作成できるようになっており、今後もさらに対象国を拡大する予定です。
海外関係会社の法規制対応力を強化するために、化学品安全情報システム(SAP-EHS)の海外関係会社への展開を進めています。2015年度は欧州、米国および中国の一部の関係会社で、製品に関わる規制・安全性情報を共有できるようにしました。2016年度も引き続き、システムの機能充実と海外関係会社への展開を図っていく予定です。

※1
SDS(Safety Data Sheet) : 安全データシート
※2
MSDSplus : アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)が推奨する製品含有化学物質情報を伝達するための基本的な情報伝達シート

情報一元化管理システムの概要

情報一元化管理システムの概要


プロダクトスチュワードシップに基づくリスク評価・リスク管理

三井化学は、プロダクトスチュワードシップ(以下、PS)に基づき、製品のライフサイクルを通じた化学物質の安全管理をリスクベースで行っています。

新製品については、従来から社内規則に基づき、開発段階を5つのステップに分割してステップごとに必要なリスク評価を行っています。
製品そのもののリスクの評価に加えて、原材料、製造工程で使用する触媒や添加剤、製造工程で発生する副生成物についてもリスク評価を行い、作業者に対する安全性や製品への影響など、製品に関わる全ライフサイクルを通じたリスク評価を行っています。このようなリスク評価の結果、化学物質と化学製品を適切に使う方法を知ることが、プロダクトスチュワードシップの第一歩です。

すでに上市済みの既存製品についても、2011年よりICCA(国際化学工業協会協議会)および日本化学工業協会(日化協)のJIPS活動と連携し、製品のリスク評価およびリスク管理を推進しています。2020年までにすべての製品の評価を確実に実施するため、全製品についてばく露量と有害性の観点からリスクレベルを判定し、優先順位の高い製品から計画的にリスク評価に取り組んでいます。リスク評価の結果は、安全性要約書としてステークホルダーに公開しています。これまで、48製品について安全性要約書を作成し、当社Webサイトで公開しています。

JIPS(Japan Initiative of Product Stewardship) : 日本においてPSを推進する化学工業会の取り組み

Safety Summary Sheet

事業ポートフォリオ変革に応じた安全性確認と法対応

三井化学は事業ポートフォリオの変革を進めています。従来より、上市前に用途に応じたリスク評価による安全性確認および適切な法規制対応を行った上で新製品を上市してきましたが、ポートフォリオの変革により新製品の用途が拡大しており、用途に応じた安全性評価技術の獲得および法規制対応体制の整備を進めています。
2015年度は、国立食品医薬品衛生研究所に研究員を派遣するなど、最新の安全性評価技術の獲得に努めています。医療機器分野においては、関連する法令・認証に関する専任グループの設置を行いました。

安全な化学製品を開発するためには様々な安全性試験が必要ですが、動物実験の実施が必要となることもあります。三井化学は、3Rの原則(Replacement:代替、Reduction:削減、Refinement:改善)に基づき、動物愛護に配慮した適正な動物実験の実施に努めています。化学物質の構造から有害性を予測する技術の積極的な活用、実験動物を用いない代替試験法の導入および開発にも力を入れています。

産業界の化学品管理に対する取り組みへの参加

WSSD目標を達成するためには、法を遵守するだけではなく、企業の自主的な取り組みが求められています。
三井化学は、WSSD目標達成のため、国際化学工業協会協議会(ICCA)や一般社団法人日本化学工業協会(日化協)等の化学業界団体が推進する自主的な取り組みに賛同し、積極的に参加しています。
2015年度から、ICCAのリーダーシップ・グループ「化学品政策と健康」のタスクフォース「キャパシティビルディング」で議長を務め、国際的な活動においてリーダーシップを発揮しています。また、発展途上国や中小企業に対してWSSD目標達成に向けた能力開発に関する教育プログラムや講演会を企画・運営する活動にも積極的に参画しており、2015年度は、ICCAのレスポンシブル・ケア リーダーシップ・グループとの連携のもとに日化協が実施したベトナムでのGPS/PSワークショップへ参画し、アジア諸国でのGPS普及活動を支援しました。
国内においては、JIPS推進強化の中心的メンバーとして、2015年度も、JIPS推進部会の評価技術ワーキンググループの主査を務め、また日化協が主催するリスク評価に関連するセミナーや世界の化学品規制の動向に関するセミナーにおいて講師を務めるなど、日化協が推進する活動に積極的に参加しています。

GPS(Global Product Strategy):
化学製品のライフサイクル全体にわたってリスク管理を行う化学産業の自主的な取り組み

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