三井化学 第4回 触媒科学国際シンポジウム(MICS2009)開催レポート

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講演内容

基調講演

Henri B. Kagan 名誉教授 (パリ南大学、仏)

不斉触媒 -生理活性物質とその合成中間体への有望な合成経路-
Henri B. Kagan

予測し、それが実現するのは
エキサイティングだ。
しかし、もっとやりがいがあるのは、
予測できないことの発見だ!

Kagan名誉教授は、キラリティー(不斉)の分野において、基礎概念の構築から合成手法の開発まで幅広く貢献している。不斉触媒開発の先駆的研究者であり、二座ホスフィン配位子(DIOP )を有するロジウム錯体触媒の開発を通じ、不斉触媒におけるC2対称※1の概念を導入した。

これは、その後の不斉触媒開発の爆発的な発展をもたらす重要な研究成果である。また、不斉触媒の光学純度と生成物の光学純度との間に非線形性が見られる現象(不斉反応の非線形効果※2)を発見し、不斉触媒反応の機構研究ならびに生命におけるキラリティーの起源に関する重要な示唆を与えた。

本講演では、不斉触媒の発展の歴史、工業プロセスへの応用、および将来の展望に関して幅広く解説した。序論では、パスツールの時代に遡るキラリティーの発見から、不斉合成の概念確立に至る歴史を解説すると共に、実用的な不斉触媒に求められる要件を提示した。

次いで、不斉水素化および不斉酸化に焦点を当て、重要な不斉触媒反応およびその工業的応用、特に、医・農薬、香料などの製造プロセスにおける具体例を数多く紹介し、キラルな有用物質生産における不斉触媒の重要性を示すとともに、工業プロセスへの適用におけるエッセンスを解説した。Kagan名誉教授は本講演を通じ、ますます発展しつつある不斉触媒とその工業利用に関する展望を示した。

※1
C2対称:対象軸を中心として180°回転させたものが元のものと重なる構造。
※2
非線形効果:不斉触媒反応において、触媒の光学純度と生成物の光学純度との間に非線形の相関関係が見られる現象。
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