社会課題解決に向けた
イノベーションの追求
顧客起点イノベーションの
推進×ソリューション提案力の強化
次世代工場構築
常務執行役員 研究開発本部長 福田 伸

顧客起点イノベーションの推進×ソリューション提案力の強化

新しい時代のイノベーションに向けて

三井化学は2025長期経営計画の基本戦略の一つとして「イノベーションの追求」を掲げており、研究開発や新事業開発において、「顧客起点イノベーションの推進」と「ソリューション提案力の強化」を基本方針として取り組んでいます。
化学業界の過去のイノベーションを振り返ると、20世紀は新素材の時代であり、極端に言えば化学メーカーはより高いスペックの素材を開発し、営業担当がお客様に物性表を持っていって見せればそれで終わり、具体的な用途までには踏み込まない、といった状況でした。しかし現在、顧客ニーズは高度化・多様化しており、今後この流れはさらに加速すると思われます。その中においては、大きなトレンドや社会課題を踏まえ、まだお客様自身の中でも明確になっていない潜在ニーズを発掘すること、そしてそれを「モノ」として形にして見せることで、実際に材料の使い方まで含めて提案するといった、ソリューションの提供者となることが必要です。今後当社は顧客起点型のビジネスモデルを強化し、マテリアルサプライヤーからソリューションプロバイダーへと自身を変革することで、化学メーカーの新しいイノベーションのあり方を追求していきます。

オープンイノベーションに向けた取り組み

高度化・多様化するニーズに対し、新しいソリューションを提供するには、自社のみの開発では限界があります。多種多様な人々との協業を通じて新たな価値を創造する、オープンイノベーションの重要性は年々増しています。当社もお客様や大学等、多くのパートナーとの連携を進めていますが、その取り組みの一つとしてベンチャーとの協業があります。
大企業の技術ラインナップの幅広さはオープンイノベーションにおいて大きな強みになりますが、一方、組織が大きくなると縦割り化が進み、その強みをフルに活かせないという弊害も起こりがちです。当社も、同じ研究所にいながら隣でやっていることをよく知らないというケースがまだあります。また、同様に役割分担が進むと、自分でゼロから立ち上げて実需化まで漕ぎつけるという機会や経験は少なくなります。このような実状ですべての研究・開発に100%横串を通し、かつ全員が最初から最後まで開発に関わるというのは困難です。ではどうするか。「できる人、やりたい人を集めて、その人たちに火をつける」といった取り組みを現在進めています。ベンチャーのとがった技術、またそこで働く方々の持つアントレプレナー精神は、言わば「着火剤」です。彼らとの協業を通じて当社社員の開発魂に火をつける、一旦火がつくと、自ら社内外の様々な人とコミュニケーションを取りつつアイディアを生み出し、価値創造につなげていく。こういった事例が生まれつつあります。当社のオープンイノベーションはまだ始まったばかりですが、これからも様々な取り組みを通じて新しい価値を創造し、社会課題の解決に貢献していきます。

顧客起点×ソリューション

事例 ARRK-Mitsui Chemicals-Seat Project

当社は2018年1月、(株)アークを当社グループへ迎え入れました。同社は自動車向けを中心とした開発支援サービスを提供しており、デザイン・設計・解析・試作まで顧客の製品開発をトータルでサポートしています。今後、当社の材料技術との組み合わせにより、顧客へのトータルソリューション提供を目指していきます。また、このソリューション提供に向けた取り組みの一環として、このたび、ARRK-Mitsui Chemicals-Seat Projectを発足させました。これは両社の技術を用いて、「軽量・先進・快適」をキーワードに、自動車のシートを実際に「創って魅せる」プロジェクトです。第1弾として、(株)アークによる先進的なデザインのシートに、当社の圧電ラインセンサを組み込むことで、運転者の心拍・呼吸等のバイタルデータを取得する自動車シートを提案しています。居眠り運転の防止やヘルスケアサービス等、様々な活用が考えられるほか、ウレタンやCF複合材等の当社素材の活用により、快適性の向上や軽量化も図られています。

ARRK-Mitsui Chemicals-Seat Project

ARRK-Mitsui Chemicals-Seat Project

オープンイノベーションに向けた取り組み

事例 (株)ユーグレナとの人材交流

新たな価値の創造

当社はベンチャーとの協業の一環として、(株)ユーグレナと人材交流を行っています。当社社員が(株)ユーグレナへ出向しているほか、同社からも人材を受け入れています。当社としてはアントレプレナー精神やベンチャー運営ノウハウを学ぶ機会となっており、(株)ユーグレナにとっては大手企業のR&Dノウハウ取得の他、当社の保有する設備を活用し、研究開発の促進等に役立てていただいています。さらに、両社共同の取り組みとして、環境負荷低減に寄与する新しいプロセス技術等の開発も進めています。

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