010SHIRANUIポリゴンボタン・スタイルボタン浮かんでは消える、光と色の幻影

CONCEPT

海の果てにゆらゆらと浮かび上がる、
言い伝えの灯火(ともしび)―
近づくほどに遠ざかるその神秘を、いにしえの人々は
「しらぬい(不知火)」と名づけました。
何もないところからぼんやりと現れ、
いつしか鮮やかな色を放つ……
幻想的なその風合いを、遥かなるしらぬいに見立てて。
光を受けて淡く色づく、
透き通ったプラスチックの静かなる変容。
この風情をぜひ、感じてみてください。

素材名

MR™レンズ材料(ウレタン系熱硬化モノマー)

三井化学が世界で初めて開発した、最高品質の光学プラスチックレンズ原料。高い透明性や高屈折率など光学特性に優れ、軽量かつ高強度で、メガネレンズ材料の世界ナンバーワンシェアを誇る。薄型・軽量の縁なしフレーム用レンズや、色素技術と組み合わせたブルーライトカットレンズ、フォトクロミック(調光)レンズなど、眼鏡のデザインと機能に数々の革新をもたらしてきた。

素材の可能性

  • ●世界初の人工プラスチックであるベークライト(フェノール樹脂)が一般に普及したのは1920年代。ココ・シャネルがベークライト製のボタンと腕輪を製作し、自身のコレクションで発表したことが大きく影響したと言われている。その後、プラスチックの技術と用途は大きく花開くことになる。
  • ●こうしたプラスチックの歴史へのオマージュを込めながら、MR™レンズ材料の魅力を新たに引き出し、発信していくために、フォトクロミック機能などを持たせたボタンとバングルを製作。
  • ●MR™レンズ材料の優れた素材特性に加え、特定波長の光をカットする技術や紫外線に反応して色が変化するSunSensors™のフォトクロミック色素技術など、さまざまな機能のMIXOLOGYによって、新たなものづくりの可能性を広げていく。

クリエイティブパートナー

株式会社MTDO 代表取締役田子 學 MANABU TAGOアートディレクター/デザイナー

幅広い産業分野においてコンセプトメイキングからプロダクトアウトまでをトータルにデザインする「デザインマネジメント」で、社会に向けた新しい価値創造を実践している。

慶応義塾大学 大学院 SDM 特任教授
東京造形大学 デザイン学科 特任教授
東京藝術大学 デザイン科 非常勤講師
熊本大学大学院 自然科学研究科 客員教授

日本の化学会社は100年以上と歴史が長く、世界でも圧倒的なシェアを誇る商材も多く保有しています。しかしながら、そういった事実はなかなか世間に知られていないのが現状です。研究者が能動的に自らの可能性を広げ、もともと持っている高いポテンシャルを高次元に到達させること。それがMOLp®の狙いです。私は「暮らす」という視点でデザインを捉える際、素材そのものからデザインのアプローチを探りたいと常々思っていました。市場に縛られない創造的な開発は、未来を作り上げる事にきっと繋がることでしょう。