2005/1/5

各 位

2005年社長年頭挨拶(要旨)

三井化学株式会社
社長 中西 宏幸

明けましておめでとう。
 昨年は、回復基調が続いた景気も、後半には減速傾向がかなり明確になってきた。また、原油価格が史上最高値を更新した影響で、ナフサ価格も、湾岸戦争時のレベルにまで急騰し、大変厳しい事業環境が続いた。
 その様な中で、弊社は昨年、「事業構造の変革と収益力強化」をキーワードとした新たな中期経営計画をスタートさせ、「石化・基礎化学品分野の収益力強化」及び「機能性材料分野の拡大・成長」を図っている。昨年は、具体的な施策として、石化・基礎化学品分野において、大阪工場のプロピレンセンター化、出光興産との包括的提携の開始等を、機能性材料分野においては、機能性ポリマー、情報・電子材料、及び、ヘルスケア材料の重点領域の強化・拡大に取り組んだ。
 
 本年の重点課題としては、「機能性材料分野の拡大の加速」、「石化・基礎化学品分野における収益力の一層の強化」、「海外戦略の加速」が挙げられる。
 具体的には、「機能性材料分野の拡大の加速」に向けて、限られた経営資源を効率的に投入するための研究開発効率の更なる向上、マーケティング体制の強化、機能性材料分野の新たな拡大策の策定と実行を進めて行きたい。
 「石化・基礎化学品分野における収益力の一層の強化」に向けては、昨年来の原燃料の大幅な変動/高騰への適確な対応、4月に発足する、出光興産とのポリオレフィン事業統合新会社「プライム・ポリマー」の円滑な立ち上げとシナジー効果の早期実現、出光興産との提携の更なる拡大による、市原地区の事業基盤の強化などに取り組んでいきたい。
 「海外戦略の加速」に向けては、特に、本年は、中国計画が本格的に動き始める。5月のPPコンパウンドの営業運転開始に始まり、BPAのSinopec Corp.との合弁計画の本格的な推進にも着手する。これら以外にも、アロマチェーン(PH、BPA、PTA、PET樹脂)の次期アジア拠点の検討を加速させていきたい。
 
 また、もうひとつの本年の重要課題として、「生産現場力の強化」を掲げている。安全の確保を第一優先とすることを前提として、生産現場のあるべき姿が持続するための諸施策に取り組んでいきたい。
 
 最後に、本年3月には、2003年に引き続き、第2回目の三井化学触媒科学国際シンポジウムを開催する。このシンポジウムが国内外での触媒科学の発展に少しでも寄与できるよう、準備を進めており、多くの皆様のご参加をお待ちしている。
 
 以上の課題を着実に実行することで、本年を、弊社グループの「質的拡大」と「生産現場力の強化」に向けて一層の飛躍の年としたい。