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三井化学グループ、ASMLとEUVペリクル事業のライセンス契約を締結

~世界初、唯一のEUVペリクルを量産。半導体の更なる微細化進展に対応~

2019.05.31

三井化学株式会社

三井化学株式会社(所在:東京都港区、代表取締役社長:淡輪 敏)は、半導体リソグラフィー分野で世界No.1のASML(Veldhoven, the Netherlands; President & CEO: Peter Wennink)と、EUVペリクル事業のライセンス契約を締結しました。当社は同製品の生産設備を新設、世界に先駆けてEUVペリクルを商業化するものであり、両社は世界市場において、EUVペリクルを通じた両社の事業拡大と次世代製品の開発を進めます。

当社は、半導体の製造において必須となる露光工程の防塵カバー「ペリクル」を1984年に発売して以来、半導体の微細化に合わせたペリクルの改良と製品品質の向上に努めて参りました。今般、第5世代移動通信システム(5G)に代表されるデータの超高速化、高機能化のニーズは高まっており、更なる半導体の微細化が求められていますが、その為には、従来の露光工程とは全く異なる技術導入が必要となります。それを実現するのがEUV露光機であり、その防塵カバーであるEUVペリクルです。ASML社は半導体の露光(リソグラフィー)機メーカー世界最大手であり、EUV露光機及びEUVペリクルを開発した唯一のメーカーです。

今般、ASML社からEUVペリクルに関するライセンスを受けることで、EUVペリクルの生産権及び生産販売権を取得します。当社が高品質のEUVペリクルを市場に供給することで、EUV露光技術の普及にも貢献し、急速な拡大が期待される今後の半導体需要に対応します。新たな設備は岩国大竹工場内に建設、2020年第2四半期に完工予定です。

当社グループは、EUVペリクルをはじめICT関連事業の拡大と、新たな高機能分野への技術革新の推進を目指すとともに、多様化するニーズに対応したソリューションの提供と個々の事業の競争力を通じて、グローバル市場で持続的な成長を実現していきます。

新設設備の概要

製品 EUVペリクル
拠点 岩国大竹工場内
スケジュール 2020年第2四半期 完工、
2021年第2四半期 営業運転開始(いずれも予定)

両社の概要

  ASML 三井化学
設立年 1984年4月 1997年10月
本社住所 De Run 6501, 5504 DR, Veldhoven, The Netherlands 東京都港区東新橋1-5-2
主な事業 EUVシステム、DUVシステム及びアプリケーション モビリティ事業、ヘルスケア事業、フード&パッケージング事業、基盤素材事業ほか
従業員 23,000人 17,277人 (連結ベース)

リソグラフィーについて

集積回路 ICや液晶ディスプレイなどの製造において、光を用いて微細な加工を施す技術。半導体ウェハー上に感光性有機物質(フォトレジスト)を塗布し、露光装置を用いて、フォトマスクに描かれた素子・回路のパターンを焼き付ける。

ペリクルについて

フォトマスク用防塵カバー。フォトマスクをクリーンに保ち、半導体の生産性を向上させるもの。ペリクルを使用することで、異物による半導体ウェハーの製造不良を防ぐ。

ペリクルの原理
ペリクルの原理
ペリクルの製品写真
ペリクルの製品写真

以上