オープンイノベーションから生まれた眼球手術訓練用シミュレータ Bionic-EyE™が2019年度グッドデザイン賞受賞

10/31日(木)~11/4(月・祝)の期間中、東京ミッドタウンで展示

2019.10.30

三井化学株式会社
名古屋大学

三井化学株式会社と名古屋大学は、東京大学と共に内閣府ImPACTプロジェクトによるオープンイノベーションで開発したヒトの眼に近い眼球モデルを搭載した眼球手術訓練シミュレータ「Bionic-EyE™」が、2019年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しましたので、お知らせいたします。また、2019年10月31日(木)から11月4日(月・祝)の期間中、東京ミッドタウン(東京都港区)で開催されるGOOD DESIGN EXHIBITION 2019において、Bionic-EyE™が展示されます。

(ご参考:https://www.g-mark.org/award/describe/49136?token=eGsgj7BAPT

Bionic-EyE™
眼球手術訓練シミュレータ「Bionic-EyE™」
グッドデザイン賞

Bionic-EyE™とは

現代社会において、失明原因の第一位である緑内障患者は増加しています。そのような状況の中、緑内障手術における白目の薄切りと縫合という難易度の高い手術工程において、若手医師の早期育成は喫緊の課題でした。これまでの訓練では、ヒトの眼球より硬いブタの眼球を使用するなど、訓練に効果的ではなく、衛生面や動物愛護の観点からも課題がありました。そこで、内閣府ImPACTプロジェクトにおいて、名古屋大学未来社会創造機構の 新井 史人 教授及び 小俣 誠二 特任助教の精密工学技術、東京大学眼科教室の 相原 一 教授の医学的知見や東京大学工学研究科の 光石 衛 教授と 原田 香奈子 准教授の医療ロボット技術、および三井化学の材料技術を組み合わせたオープンイノベーションで、ヒトの眼に近い眼球モデルを搭載した人間そっくりな眼科手術シミュレータ「Bionic-EyE™」を世界で初めて開発しました(注)。眼球モデルはヒトの眼球の特性を研究し、材料を層状に構成することで、数ミクロンの非常に繊細な組織である白目の感触を忠実に再現することができました。これにより、難易度の高い緑内障の手術スキルを画期的に向上させることに貢献します。

(注)名古屋大学, 東京大学, 三井化学株式会社, 科学技術振興機構, 内閣府(共同), 「緑内障手術練習用の眼球モデルを開発 ~ヒトの強膜の感触を忠実に再現~」, 2019年1月11日.
(三井化学)https://www.mitsuichem.com/sites/default/files/media/document/2019/190111.pdf
(名古屋大学)http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20190117_engg2.pdf

グッドデザイン賞 審査員コメント

高い技術力により、実際の人間にきわめて近い眼球モデルが実現されている点を高く評価した。この商品が広まることによって、医療従事者の技術向上はもちろん、将来的には医療用ロボットの性能や安全性の向上にも役立つことが期待される。

グッドデザイン賞

1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みで、デザインによって人々の暮らしや社会をより良くしていくための活動。シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれています。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2019

会期 2019年10月31日(木)〜11月4日(月・祝)11:00-20:00
入場無料、入場は閉館30分前まで/最終日 18:00まで
会場 東京ミッドタウン各所(東京都港区赤坂9-7-1)
主催 公益財団法人日本デザイン振興会