いまさら聞けない!
オプティシャンのためのレンズ教室

Lesson01メガネの視野の快適性を左右する「アッベ数」

光はレンズ(プリズム)を通り抜ける時に、異なる色の光に分散します。光の波長によって屈折率が異なるためです。この現象により、レンズを通した視界が赤や青などの「色にじみ(色収差)」が現れることがあります。とくに光の入射角によって分散が大きくなるレンズの周辺部ほど色にじみが気になることになります。
アッベ数とは、この光分散の程度を表す指標。アッベ数の高いレンズほど分散が小さく、色にじみが少なく視界が良好というわけです。

色がにじみ、ぼやける

一般に、プラスチックレンズ材料は高屈折率であるほどアッベ数には劣る傾向があります。レンズの厚みを減らしたくて高屈折率のレンズを選べば、色にじみが気になってしまうジレンマがあるわけです。
この点、MR-8™のような高屈折率かつ高アッベの材料なら、レンズを薄くしながら色にじみの心配も解消できます。

メガネレンズ材料による屈折率とアッベ数の関係
MR-8™ ポリカーボネート アクリル ADC クラウングラス
屈折率(ne) 1.60 1.59 1.60 1.50 1.52
アッベ数(νe) 41 28~30 32 58 59
高屈折率かつ高アッベ 高屈折率だが低アッベ 低屈折率だが高アッベ
屈折率(ne) アッベ数(νe)
MR-8™ 1.60 41 高屈折率かつ高アッベ
ポリカーボネート 1.59 28~30 高屈折率だが低アッベ
アクリル 1.60 32
ADC 1.50 58 低屈折率だが高アッベ
クラウングラス 1.52 59

※ADC:アリルジグリコールカーボネート


Lesson02レンズを「強度」で選ぶには

メガネレンズを長く美しく使うためには、レンズの強度に注目する必要があります。強度とは、変形や破壊に対する抵抗力のことで、例えば「割れにくさ」と「傷つきにくさ」など、まったく性質が異なる強度があります。さまざまなレンズ材料の持つ特性の違いをよく理解して選ぶ必要があるでしょう。

割れにくさで選ぶ

割れにくさを測るためには、単に物体の強度ではなく、靭性という性質を見ることが重要です。
靭性は衝撃や圧力に対する「破壊しにくさ」のことで、材質の粘り強さとも言い換えられます。例えば陶磁器やガラスは一定の強度があり変形しにくいですが、靭性が低いために割れたり欠けたりしやすいのです。
プラスチックレンズの場合、材料の種類によって靭性が異なります。中屈折率レンズやアクリルなどは比較的靭性が低く割れやすい材料と言えます。チオウレタン系のMR™は、衝撃に対する強度ばかりでなく靭性も高く、力をかけても破壊されずに変形するため、割れや欠けを抑えられます。

中屈折率レンズ/アクリルレンズ
MR™製レンズ

傷やヒビの入りにくさで選ぶ

レンズが割れにくくても、傷に弱いのでは、長期の使用に不安を感じてしまいます。コーティング加工したチオウレタン系のMR™はレンズとコーティングとの密着性が高いため高温下などの環境や万が一擦ってしまった際にクラックが生じにくくなります。