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Blue Value® / Rose Value®

QOL向上貢献価値「Rose Value®」

人生ばら

あらゆる人が幸福や希望に満ちたばら色の人生を送れるようにという思いを込めたRose
ラヴィアンローズ La Vie en rose

Rose Value®が目指すもの

企業理念において社会貢献5項目のひとつに「人類福祉の増進」を挙げる三井化学グループは、目指す未来社会として「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」を掲げ、事業活動を通じた実現を目指しています。川上に位置する当社グループは、様々な産業に幅広く製品・サービスを提供していますが、それらの特徴・機能が、最終用途においてどのような役割を果たしているかを把握するのは容易ではありません。そのため、真に事業活動を通じて目指す未来社会を実現するためには、当社グループの提供する製品・サービスがライフサイクル全体を通じて、社会にどのような貢献をもたらしているのかを、直接・間接の顧客を含む多様なステークホルダーと共有することが重要であると考えました。このような思想の下、主にQOL向上に関わる貢献に焦点を当てて評価し、その価値を可視化できるよう設計したのがRose Value®です。

Rose Value®が目指すもの

Rose Value®を通じたQOL向上貢献価値の共有

三井化学グループの製品・サービスの機能・特徴は、「高剛性」「低湿度性」「低密度」などと物理的に表現されることが多いのですが、こうした機能・特徴がどのように社会課題に貢献するかについては、Rose Value®により、ライフサイクル全体を通じて提供するQOL向上貢献価値として可視化することができます。
可視化とは、例えば、「高剛性により食品パッケージの丈夫さが増すことで、食品輸送時の損傷が減り、フードロスの削減につながる」、「医療包装材の低透湿性により水分に溶けやすい薬を守ることで、医薬品の品質を維持することができ、医療の高度化につながる」、「低密度な素材を用いることにより軽くて取り扱いやすい製品とすることで、力の弱い子どもや高齢者でも容易に利用できるようになり、包摂的な社会の構築につながる」といった形で、当社グループの製品・サービスの機能・特徴が、どのようにQOL向上・社会的な価値に結び付いているのかを、分かり易く明らかにすることです。このようにステークホルダーの皆様と価値に対する認識を共有することで、当社グループと社会との接点がさらに広がっていくと考えています。
当社グループは、こうした活動を通じ、Rose Value®製品・サービスの社会実装によるQOL向上価値の最大化を目指しています。

Rose Value ®を通じたQOL向上貢献価値の共有

Rose Value®の評価指標と認定基準

Rose Value®は、「くらしと社会を豊かにする」「健康寿命を延ばす」「食を守る」の3つの貢献要素で評価しています。持続可能な開発目標ターゲット(SDG Targets)などの社会課題に対するニーズをふまえ、ユニバーサルデザイン&アメニティ、レジリエンス&スマート、ユニバーサルヘルスカバレッジ、フードセキュリティーなどの社会課題視点から、独自指標であるRose Value® Indexを設定し、当社グループの製品・サービスが提供する価値がQOL向上に対しどのように貢献しているかを、これらの指標を基に評価・審査し、認定しています。評価指標については環境変化を捉えて適宜見直しており、2019年度には、社会課題やニーズの変化に対応し、防災・減災やインフラの長寿命化など、まちの持続可能性に貢献する要素を評価指標に加える改定を行いました。
評価・審査にあたっては、最終製品による貢献だけではなく、中間加工ステージにおける貢献や、サプライチェーンに寄与する貢献も広く評価しています。これは、ライフサイクル全体における製品・サービスの価値を評価することが、社会全体としてのQOL向上貢献価値の最大化を図ることにつながると考えているためです。

ライフサイクル全体を通じたQOL向上貢献価値の最大化 ~仮想事例:インフラ用パイプに製品が利用された場合~

ライフサイクル全体を通じたQOL向上貢献価値の最大化

* 図は仮想事例であり、実際の当社グループ製品情報とは異なる場合があります。

QOL向上評価指標 Rose Value® Index

貢献要素 Rose Value® Index 評価指標

くらしと社会を豊かにする

1 貧困をなくそう
3 すべての人に健康と福祉を
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
9 産業を技術革新の基盤をつくろう
11 住み続けられるまちづくりを
13 気候変動に具体的な対策を
  • くらしの快適性向上
    あらゆる人に配慮され、利用可能な製品、建物、空間を提供する。
  • 介護・看護の充実
    「くらしの快適性向上」の中で、介護・看護に特化したもの。
  • まちの持続可能性確保
    まちの防災減災対応、インフラの長寿命化・ICT化を推進する。

健康寿命を延ばす

1 貧困をなくそう
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
6 安全な水とトイレを世界中に
  • 身体機能のサポート
    五体の機能を直接的もしくは間接的に補助・改善・向上できる。
  • 医療・医薬の高度化
    健康・未病・病気のフェーズにおける、医療技術・サービスを向上できる。もしくは医薬を機能・品質・製造面で向上できる。
  • 感染の予防・対策
    感染の予防・対策に利用できる。
  • 栄養・水へのアクセシビリティ向上
    栄養・水を作る、届けることを容易にする、あるいは改善できる。

食を守る

2 飢餓をゼロに
12 つくる責任 つかう責任
  • 食料の生産性向上
    食料の収量・作業の効率・機械装置類の性能を向上する。
  • 食品流通における安全・安定の確保
    食品流通において、安全性・安定性を確保・向上できる。
  • フードロス・食品廃棄物の低減
    鮮度保持・賞味期限延長・内容物の分離性・小分け個包装・輸送時損傷などの視点から、無駄を低減できる。
貢献要素
  Rose Value® Index 評価指標

くらしと社会を豊かにする

1 貧困をなくそう 3 すべての人に健康と福祉を 5 ジェンダー平等を実現しよう 6 安全な水とトイレを世界中に 7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 9 産業を技術革新の基盤をつくろう 11 住み続けられるまちづくりを 13 気候変動に具体的な対策を
 
  • くらしの快適性向上
    あらゆる人に配慮され、利用可能な製品、建物、空間を提供する。
  • 介護・看護の充実
    「くらしの快適性向上」の中で、介護・看護に特化したもの。
  • まちの持続可能性確保
    まちの防災減災対応、インフラの長寿命化・ICT化を推進する。

健康寿命を延ばす

1 貧困をなくそう 2 飢餓をゼロに 3 すべての人に健康と福祉を 6 安全な水とトイレを世界中に
 
  • 身体機能のサポート
    五体の機能を直接的もしくは間接的に補助・改善・向上できる。
  • 医療・医薬の高度化
    健康・未病・病気のフェーズにおける、医療技術・サービスを向上できる。もしくは医薬を機能・品質・製造面で向上できる。
  • 感染の予防・対策
    感染の予防・対策に利用できる。
  • 栄養・水へのアクセシビリティ向上
    栄養・水を作る、届けることを容易にする、あるいは改善できる。

食を守る

2 飢餓をゼロに 12 つくる責任 つかう責任
 
  • 食料の生産性向上
    食料の収量・作業の効率・機械装置類の性能を向上する。
  • 食品流通における安全・安定の確保
    食品流通において、安全性・安定性を確保・向上できる。
  • フードロス・食品廃棄物の低減
    鮮度保持・賞味期限延長・内容物の分離性・小分け個包装・輸送時損傷などの視点から、無駄を低減できる。

Rose Value®評価・審査・認定の例

対象製品:MR™
用途:メガネレンズ材料
製品の機能価値:高アッベ数・軽量・高耐衝撃性・高屈折率

当社製品MR™シリーズは、その光学的性質からメガネレンズ材料として利用されています。その高い屈折率と強度は、視力を改善したい人々の見え方をサポートすることを可能とするため、「身体機能のサポート」に貢献する製品と言えます。また、より薄く・軽いメガネを提供することも可能とするため、メガネの装用感を改善し、長時間の装着を可能にする効果も期待されることから、「くらしの快適性向上」にも貢献しています。これらの理由からMR™シリーズは、「健康寿命を延ばす」および「くらしと社会を豊かにする」の2つの貢献要素においてRose Value®製品として認定されています。
「くらしの快適性向上」は、上位概念にある「くらしと社会を豊かにする」という社会貢献を実現するための要素であり、単に「便利、快適になる」だけでは認められません。例えば、同じメガネレンズ材料でも、中屈折率以下の製品群は、「身体機能のサポート」ではRose Value®に認定されていますが、「くらしの快適性向上」の観点からは貢献インパクトが不十分として、Rose Value®に認定されていません。社会課題解決に資するか否かを重視し、社会貢献のインパクトを考慮した認定の妥当性に関しては、社外有識者からも助言や見解を得ています。

社外有識者コメント(Rose Value®アドバイザー)

2019年度以降、Rose Value® Indexの判定項目に「まちの持続可能性確保」を新規に追加し、まちの防災・減災対応、インフラの長寿命化・ICT化などの視点を盛り込みました。これは長期経営計画「VISION 2030」で、「全社・全事業に社会課題起点を」との方向性を打ち出され、「素材提供型ビジネスから社会課題視点のビジネスへ転換を進める」と宣言されたこととも符合します。長期経営目標では、Rose Value®製品の売上収益比率を40%以上にするKPIも据えられました。社員が、社会に関して抜群の感度を有していることが企業の競争力となる時代です。「Rose Value®」評価は、その有力なきっかけになると確信しています。




株式会社 日本総合研究所 常務理事

足達 英一郎 氏

※役職等は掲載当時

株式会社 日本総合研究所 常務理事 足達 英一郎 氏