法令遵守と情報伝達

三井化学グループは、2020年近傍のあるべき姿のひとつとして、グループ全体で、すべての化学物質規制に対して抜けのない対応ができており、法違反による製造・出荷遅れが未然に防止されていることを目指し、取り組みを進めています。

化学物質規制に関する新法制定・法改正への対応

WSSD目標の達成に向け、世界各国が化学物質規制に関する新法制定や法改正を進めています。化学物質管理制度のあり方を大きく変えた欧州REACH 規則の方式は、各国によってアレンジされながら、多くの国々に導入されつつあります。一方、化学物質管理で先行している国々でも、既存化学物質対策を課題とした法改正を進めています。三井化学は、これらへの対応を着実に実行しています。

三井化学は、欧州REACH規制の段階的登録への対応を2018年6月までに完了しました。当社では、2007年に社内横断的組織を設置し、REACH規則へ計画的に対応してきました。

韓国では、2019年初に、「化学物質の登録及び評価に関する法律」(化評法)の改正法(下位規則含む)が施行され、年間1トン以上の規模で製造・輸入される既存化学物質を広く登録の対象とする、欧州REACH規則類似の制度が新たに導入されました。当社は2019年6月を期限とする予備的登録手続きである「事前申告」を含め、新制度に対する計画的な対応を進めています。

米国では、「有害化学物質規制法」(TSCA)の下、「インベントリ届出規則」が2017年8月から施行されました。当社は、既存化学物質リスト(インベントリ)に収載されており且つ過去10年間に製造・輸入された化学物質の届出を行いました。

日本では化学物質審査規制法(化審法)が改正され、2019年1月から少量物質の届出基準が変更されました。これまでの製造・輸入量から環境排出量に変更されたため必要となった顧客からの用途情報の入手を計画的に実施し、所定の届出を完了しました。改正にあたり、当社は日本化学工業会の法改正対応委員会に参加し、より確実で効率的で効果的な管理ができる改正となるように協力しました。

三井化学グループは、日本化学工業協会をはじめとする業界活動への積極的な参加および現地コンサルタントとの緊密な情報交換等により、各国の法規制情報をいち早く入手し、法令遵守の徹底に取り組んでいます。また2017年度からは定期的に、欧州、米国、中国、台湾の関係会社の法規制専門家が一堂に会する法規制専門家会議を開催して情報交換を行うなど、関係会社を通じて現地の法規制情報を的確に収集する体制を整えました。2019年度はこの体制を東南アジアに拡大する予定です。

また、事業部およびコーポレートの各部門が参画する「グローバル化学品規制対応チーム」が中心となり、社内横断的に全社の対応策を検討し、迅速に実施してきました。今後も欧州REACH規則をはじめとした韓国化評法、米国TSCAなど新法制定や法改正への計画的な対応とその進捗を管理し、確実な対応を進めます。

製品上市後の化学物質管理の徹底

欧州REACH規則をはじめとする各国法規において、製品や化学物質の登録は「始まり」であり、登録後、規制当局の評価により制限、認可を受けるなど上市後もリスク管理に終わりはありません。また、上市後の規制当局の要求事項が高度化・複雑化してきており、適切な対応を迅速かつ的確に実施することが必要となっています。

上市後の様々な変化、例えば法規制の変更、規制物質の追加、新たな危険有害性情報の判明、製品用途の変更、原料・製法の変更、社内規則に基づく危険有害性等の観点からのリスク評価やリスクマネジメント等の変更に対応しています。今後も各国での法改正や新法制定により化学品規制の一層の強化、欧州REACH規則をはじめとした既存物質の評価の進行により、取るべき対応がより複雑化すると考えられます。そのような様々な環境変化に対応するために、さらなる化学物質管理体制の強化、変更時の管理徹底を進めていきます。

多様化する規制要求に対応した情報伝達ができる体制構築

三井化学は取り扱うすべての製品、原料および化学物質情報を、化学品安全情報システム(MiCSIS)で一元管理しています。 本システムと基幹業務プロセスとの連携により、国内外法規制への法適合確認、製造・輸入数量の管理、多言語SDS、製品のラベルおよびMSDSplus※1 などの安全性情報の自動作成等、顧客への情報提供の迅速化や化学品法規制に関わるコンプライアンスを強化しました。今後も新たな製品含有化学物質の情報伝達スキームであるchemSHERPA※2 への対応を進めていきます。
三井化学グループで製品に関わる規制・安全性情報を共有できるように、体制整備を進めています。また、SDS作成の自動化は、欧州、米国、韓国および台湾に続き中国での整備が完了し、主要な輸出先国への対応が完了しました。
今後も国内外の関係会社と規制・安全性情報を共有できる仕組みの展開を進めるとともに、多様化する規制や顧客要求へ対応できる情報伝達に努めていきます。一例として、海外版SDSにおいて、各国の細かな適用法令の確認を現地にて実施するための専門スタッフを配置し、三井化学グループとしてSDSの作成・提供体制を強化していきます。

※1MSDSplus:
アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)が推奨する製品含有化学物質情報を伝達するための基本的な情報伝達シート。

※2chemSHERPA:
Chemical infomation SHaring and Exchange under Reporting PArtnership in supply chain。製品含有化学物質の情報伝達スキーム。グローバルで活用することを目指して経済産業省が開発、普及を進めている。

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