Mitsui Chemicals

プロダクトスチュワードシップ

マネジメント体制の強化

新法制定・法改正に確実に対応するためのガバナンス強化

WSSD目標の達成に向け、世界各国が新法制定や法改正を進めています。化学物質管理制度のあり方を大きく変えた欧州REACH の方式は、各国によってアレンジされながら、多くの国々に導入されつつあります。一方、化学物質管理で先行している国々でも、既存化学物質対策を課題とした法改正を進めています。

韓国で、2015年に「化学物質の登録及び評価に関する法律」(化評法)が施行されたことを受けて、三井化学グループは製造輸入数量の報告、登録対象の化学品の2018年6月登録期限に向け計画的に対応しています。また、これまで一部の化学品のみを登録対象とする制度を廃止し、欧州REACHのように年間1トン以上を製造・輸入する全化学品を登録対象とした制度に改正され、2019年1月より施行されます。これまでの欧州REACH等での経験を活かし計画的に対応していきます。

米国では、TSCA(有害物質規制法)が2016年6月に改正され、既存化学物質リストの「再編」に伴い、過去10年間に製造・輸入された物質の届出を行いました。

三井化学グループは、日本化学工業協会をはじめとする業界活動への積極的な参加および現地コンサルタントとの緊密な情報交換等により、各国の法規制情報をいち早く入手し、コンプライアンスの徹底に取り組んでいます。また2017年度には、欧州、米国、中国の関係会社(MITSUI CHEMICALS EUROPE GmbH、MITSUI CHEMICALS AMERICA, INC.、SDC Technologies, Inc.、三井化学(中国)管理有限公司、台湾三井化学股份有限公司)の法規制専門家が一堂に会する法規制専門家会議を開催して情報交換を行うなど、関係会社を通じて現地の法規制情報を的確に収集する体制を整えました。2018年度はこの体制を東南アジアに拡大する予定です。
また、事業部およびコーポレートの各部門が参画する「グローバル化学品規制対応チーム」が中心となり、社内横断的に全社の対応策を検討し、迅速に実施してきました。今後も欧州REACHをはじめとした韓国化評法、米国TSCAなど新法制定や法改正への計画的な対応とその進捗を管理し、確実な対応を進めます。

製品上市後の化学物質管理の徹底

欧州REACHをはじめとする各国法規において、製品や化学物質の登録は「始まり」であり、登録後、規制当局の評価により制限、認可を受けるなど上市後もリスク管理に終わりはありません。また、上市後の規制当局の要求事項が高度化・複雑化してきており、適切な対応を迅速かつ的確に実施することが必要となっています。

上市後の様々な変化、例えば法規制の変更、規制物質の追加、新たな危険有害性情報の判明、製品用途の変更、原料・製法の変更、社内規則に基づく危険有害性等の観点からのリスク評価やリスクマネジメント等の変更に対応しています。しかし、今後は法改正や新法制定により化学品規制は一層強化され、欧州REACHをはじめとした既存物質の評価が進むことにより、取るべき対応がより複雑化すると考えられます。そのような様々な環境変化に対応するために、化学物質管理体制の強化、変更時の管理徹底を進めていきます。

多様化する規制要求に対応した情報伝達ができる体制構築

三井化学は取り扱うすべての製品、原料および化学物質情報を、化学品安全情報システム(SAP-EHS)で一元管理しています。 本システムと基幹業務プロセスとの連携により、国内外法規制への法適合確認、製造・輸入数量の管理、多言語SDS、製品のラベルおよびMSDSplus※1などの安全性情報の自動作成等、顧客への情報提供の迅速化や化学品法規制に関わるコンプライアンスを強化しました。今後も新たな製品含有化学物質の情報伝達スキームであるchemSHERPA※2への対応を進めていきます。
製品に関わる規制・安全性情報を共有できるように、欧州、米国および中国の一部の関係会社に本システムを導入し、体制整備を行ってきました。また、SDS作成の自動化は、欧州、米国、韓国および台湾に続き中国での整備が完了し、主要な輸出先国への対応が完了しました。
今後も国内外の関係会社に本システムの展開を進めるとともに、多様化する規制や顧客要求へ対応できる情報伝達に努めていきます。具体的には、海外版SDSにおいて、各国の細かな適用法令の確認を現地にて実施するための専門スタッフを配置し、三井化学グループとしてSDSの作成・提供体制を強化していきます。

※1
MSDSplus:
アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)が推奨する製品含有化学物質情報を伝達するための基本的な情報伝達シート。
※2
chemSHERPA:
Chemical infomation SHaring and Exchange under Reporting PArtnership in supply chain。製品含有化学物質の情報伝達スキーム。グローバルで活用することを目指して経済産業省が開発、普及を進めている。