Mitsui Chemicals

環境保全

気候変動対応

近年、地球温暖化に由来する社会問題が顕在化しています。それは、台風や洪水、干ばつ等の自然災害の甚大化、生態系変化に関連する農業や漁業への悪影響増大、猛暑による熱中症等の健康被害増加など多岐にわたります。世界経済フォーラム(ダボス会議)でも、「異常気象」「自然災害」「気候変動緩和・適用の失敗」等の環境関連リスクが選定されているほか、パリ協定やSDGsにおいても将来に向けた国、企業の気候変動への取り組みが求められています。
三井化学グループは、総合化学会社として緩和と適応の両面で、気候変動対応に積極的に貢献していこうと考えています。

三井化学グループの気候変動対応例

緩和
  • 自社およびバリューチェーンを通じたGHG排出量の削減
    【原料】非可食バイオ原料の使用
    【製造】製造工程における高性能触媒使用、省エネ技術の導入
    【加工】顧客での加工段階で省エネとなる材料の提供
    【使用】最終製品の長寿命化、製品使用時の省エネ化
    【廃棄】リサイクルしやすい材料、廃棄物の発生が少ない材料の提供
適応
  • マラリア等の感染症対応に貢献する製品の提供
  • 災害、防災用資材の提供

GHG排出量、エネルギー消費量

当社グループは、2016年度に「国内のGHG排出量(フル稼働ベース)を2005年度対比で2030年度までに25.4%削減する」という長期目標を掲げました。この目標達成に向け、省エネルギーの推進、燃料転換、プロセス革新技術の創出等に積極的に取り組み、低炭素社会の実現に努めています。
2017年度は省エネ・燃料転換等の自助努力と、2015年度分より温対法報告対象となったNF3(三フッ化窒素)の削減などで、「2016年度比で5.7万トン以上を削減する(フル稼働ベース)」という目標を設定しました。これに対して、熱回収の強化や精製工程の効率化等工場の徹底した省エネ活動により7.8万トンの削減を達成しました。これによりGHG排出量(フル稼動ベース)削減率は、対2005年度比24.5%(当初よりNF3を含むとした場合)となりました。

GHG排出量の削減率(フル稼働ベース、2005年度比)(国内)

関係会社の集計範囲:国内連結子会社

三井化学グループの2017年度のGHG排出量は、2016年度比で14万t削減となりました。エネルギー消費については2025長期経営計画において、エネルギー消費量原単位5年平均低減率1%以上を目標とし、2017年度は0.9%となりました。今後も、5年平均低減率1%以上の達成を目指しますが、2018年度は、5年平均低減率 1%以上または2009年度を基準とした原単位削減率 年平均1%以上のどちらかを達成することを目標としました。これは、5年平均低減率では基準年が移動し、長期的な低減努力を評価することが難しいためです。
さらに、原材料購入から顧客での使用、廃棄までのサプライチェーン全体でのGHG排出量を把握するため、自社の事業・生産活動に伴う排出Scope1、2とあわせて、間接的な排出であるScope3についても算出しています。

GHG排出量

エネルギー消費量

国内外関係会社の集計範囲:連結子会社
海外連結子会社に関しては、エネルギー消費量より日本の「地球温暖化対策の推進に関する法律」に準拠してGHG 排出量を算定。
GHG排出量の計算に用いたガスは、CO2、CH4、N2O、HFC、PFC、SF6、NF3

エネルギー消費量原単位(三井化学単体)

エネルギー消費量原単位の分母はエチレン換算生産量。

Scope3のCO2排出量(2016年度、三井化学単体)

区分 カテゴリ 排出量
(千t CO2eq / 年)
1 購入した製品・サービス 3,230
2 資本財 70
3 Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 210
4 輸送・配送(上流) 60
5 事業から出る廃棄物 30
6 出張 5
7 雇用者の通勤 7
8 リース資産(上流) 1
11 販売した製品の使用 3,580
12 販売した製品の廃棄 2,430
15 投資 1,090

【算定方法】
環境省、経産省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン Ver2.3」 および環境省、経産省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース Ver2.4」に基づき、IDEA、温対法算定・報告・公表制度における排出係数、環境省作成排出原単位等を使用しました。

CO2固定化技術の現状について

三井化学は(財)地球環境産業技術研究機構(RITE)のCO2固定化プロジェクトに参加し、CO2と水素からメタノールを合成する触媒の開発を続けてきました。
2009年には大阪工場内に実証試験プラントを建設し、排ガスに含まれるCO2を原料としたメタノール合成技術の実用化に向けた運転を開始しました。
そして2010年には、様々な実証試験の結果、CO2と水素からメタノールを合成できることを実証・確認することができました。
その後も、製造プラントはCO2源のあるところがよいのか、水素源のあるところがよいのか、あるいは自然エネルギーが豊かな場所がよいのかなどを含め、様々なビジネスモデルを検討してきました。
現在の状況としては、事業化の確度を上げられるよう調査を継続していますが、水素の確保が高いハードルとなっています。水素の確保については、バイオマス由来の水素についても検討しています。