Mitsui Chemicals

労働衛生

労働衛生の取り組み

労働衛生リスクの低減

労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)や2015年度に構築した化学物質の有害性リスクアセスメントシステム(新リスクアセスメントシステム)の活用、産業医・衛生管理者による職場巡視や内部監査などにより、労働衛生リスクの低減や職場環境の改善に努めています。

リスクアセスメント

2016年度より新リスクアセスメントシステムを使用した有害物質についてのリスクアセスメントを計画的に実施しており、2017年度は、計画通り全職場の定性評価が完了(のべ700物質・6429作業)し、約460件の定量評価も完了しました。2018年度は、前年度実施した定量評価に基づき、リスクレベルが高い作業は、作業環境および作業改善を検討し、リスクの低減を進めるとともに、優先順位をつけながら未実施の定量評価を計画的に実施していきます。また、有害物質の皮膚吸収による健康障害が社会的問題になったことから、新たに化学物質の皮膚吸収による健康障害に特化したリスクアセスメントシステムを構築し、試行する予定です。
このように、リスクアセスメントによる有害物質ばく露防止対策をいっそう強化・推進していきます。

産業医による海外関係会社に対する労働衛生リスク低減のための職場巡視

海外関係会社向けの労働衛生リスク低減策として、本社産業医が海外事業所を巡回する際に、計画的に職場巡視を行い労働衛生の改善点を指導しています。2017年度は、6の海外事業所で実施し、現地担当者への教育も行いました。これらの活動は、2018年度も継続していきます。

健康管理

産業医や保健師などによる健康診断や保健指導を通じて社員の健康管理のサポートを行っています。

総合健診(定期健康診断に特定健診とがん検診を融合)実施から10年が経ち、受診率は安定しています。(健診;ほぼ100%、肺がん検診:ほぼ100%、大腸がん検診:85%、胃がん検診:60%以上、腹部超音波検診:70%以上、前立腺がん検診:90%以上、乳がん検診・子宮頚がん検診:50%以上)

2015年度に行った胃がんリスク検診をきっかけに、ピロリ菌除菌を行った者が多く、除菌後や専門医での判定がB~D群だった者を主体に、胃内視鏡検査での胃がん検診受診者が増えました。また、がん検診の結果も健康管理室で把握し、必要な精密検査をきちんと受けるよう状態を説明したり、病院案内や紹介状を渡して受診を促したりしており、精密検査の結果についても、本人等から報告を受けています。そのため、がん発見の8割以上が検診(自覚症状も含む)発見で、8割以上が根治可能な状態で発見されています。2017年度の悪性新生物(がん)による休業日数は、昨年度の1,068日から669日に減少しました。

生活習慣病有所見率は、健康診断の事後指導や保健指導、希望者に対して行った糖尿病遺伝子検査結果に基づく体質を加味した保健指導と健康づくり活動により、血圧は2008年度の9.1%から継続的に減少しており2.9%に、コレステロールや糖質は横ばいを保っています。

2017年度は、高年齢労働者の身体能力低下への対策としての若年層からの健康教育や運動習慣定着化への施策を各事業所で工夫して行いました。2018年度もさらなる改善を目指し、肥満率の抑制に取り組んでいきます。

また、海外事業所へは、本社の産業医が海外を毎年巡回し、海外勤務者の全員(希望するご家族を含む)と健康面接を行い、心身両面から社員を継続的に支援しています。長期に及ぶプロジェクトについては、3ヵ月に1回等、頻度を密にして社員の健康支援を行っています。

生活習慣病有所見率(三井化学籍男性社員)

生活習慣病有所見率(三井化学籍男性社員)

生活習慣病有所見率については、項目によって男性と女性の基準値が異なるので、男女別に集計しています。当社の場合、男性の比率が高いため、男性の有所見率をKPIとしています。

疾病休業の内訳(三井化学籍社員)

疾病休業の内訳(三井化学籍社員)

メンタルヘルスケア対策

2017年度もメンタルヘルス対策として、各種研修(新入社員・管理社員・ライン管理者など対象、セルフケア研修等)、産業医による面接、カウンセリングなどを継続して実施しました。

新入社員には、研修に加え、コミュニケーションに関するe-ラーニングを入社後一定期間おいて3種類実施しています。さらに、6ヵ月ごとに産業医が全員と面接し、生活習慣・体調面・上司や同僚とのコミュニケーション等に関する状況を把握し、必要に応じてアドバイスをしたり、上司を含めて話し合うなど、新入社員の会社生活への適応を支援しています。

ストレス調査は、「職業性ストレス簡易調査」だけでなく、職場改善のヒントとなるよう「メンタルヘルス風土調査」を加えた「新職場ストレス度調査」を2011年より全社で実施しており、ほぼ全社員が回答しています。個人に対する結果のフィードバック・フォローだけでなく、職場改善に役立つよう組織結果を各所属長に説明しています。ストレスが高い職場には、所属長や職場メンバーへのヒアリングの実施や、ストレス低減計画(コミュニケーション向上計画)を立案・実行してもらっています。また、メンタルヘルス風土が良好あるいは経時的に改善してきている職場をグッドプラクティス(好事例)としてとりあげ、職場代表者の発表資料や、ヒアリング等で抽出した特徴をイントラに掲載し、事業所内のみでなく全社に水平展開しています。
最近は、調査結果を積極的に活用する職場も増えてきており、自主的な職場改善のきっかけになっています。その結果、感覚的なストレスが低く、職場の各種機能が良好と思われる職場が、2015年度22.1%だったのに対し、2017年度は33.7%に増加し、「感覚的なストレスも高く仕組みが機能しているか心配」と判定された職場も8.7%から5.6%に減少しました。2018年度も、各職場のストレス度調査結果の経年推移を見ながら、職場風土改善に取り組んでいきます。

2017年度 新職場ストレス度調査結果(三井化学および契約のある関係会社)

2017年度 新職場ストレス度調査結果(三井化学および契約のある関係会社)

グラフ内の各点は、各職場のポイント(本社は部単位、事業所は課単位)
※1
健康総合リスク:
仕事の負担感・コントロール感・上司・同僚の支援感に関する主観的な感覚尺度から算定。
(全国平均を100とした相対評価で、120の職場では不調者発生率が20%高いと推測できる)
※2
メンタルヘルス風土:
指示系統・労務管理・連携協力・研修機会が適切かどうかの尺度から算定。
(全国平均を50とした相対評価で、数値が上がるほど職場の風土がよいと考えられる)

健康管理のための様々な実施プログラム

三井化学グループでは、健康管理室や健康保険組合が中心となり、様々な健康づくりプログラムを実施し、社員の健康管理を支援しています 。 2017年度も、ヘルシーマイレージ合戦、フィットネス教室、食育教室・栄養教室、ウォーキングイベント、スポーツ大会、禁煙チャレンジ、社員食堂のヘルシーメニュー、健康測定会、体バランス測定会などを実施しました。

ヘルシーマイレージ合戦は、チームもしくは個人で参加し、運動や健康的な生活をポイント(ヘルシーマイル)として貯め、獲得したマイルに応じて賞品を選択できるプログラムです。Webやスマートフォンで実績の入力が可能で、国内社員の40%以上、海外でも5%以上の社員が参加しています。ヘルシーマイレージ合戦の取り組みで、東京都スポーツ推進企業にも認定されています。
また、自分自身の現状を認識した上で各自が健康管理を行いやすいよう、取り組み前に内臓脂肪や体脂肪等の測定を行うだけでなく、取り組んだ後の効果検証の測定も実施しました。

栄養教室
栄養教室

フィットネス教室フィットネス教室
フィットネス教室

医療費の抑制

傷病手当金は、再雇用者などの高年齢層従業員の増加に伴い、がんなどの疾患が増加し2015年度・2016年度に増加傾向にありましたが、2017年度はメンタルヘルス不調の長期休業者およびがんなどによる長期休業者の減少に伴い、改善傾向にあります。2017年度の傷病手当金は、2008年度比45%でした。 
法定給付費(医療費)を2008年度100とした指標で見た場合、一般的な健康保険組合の2017年度の医療費の増加率は22.4%となりますが、三井化学健康保険組合の増加率は12.0%で、おおよそ半分の伸び率にとどまっています。
これらは、健康管理の総合的な効果と考えられ、今後も健康増進施策を強化・継続します。

傷病手当金推移

傷病手当金推移

法定給付費※1推移(被保険者一人当たり)

法定給付費*推移(被保険者一人当たり)

※1
法定給付費:
医療費他、傷病手当金、出産育児一時金、出産手当、埋葬費含む。
※2
健康保険組合連合会:
「健保組合予算早期集計結果の概要」よりデータ使用。

労働衛生に関する社外評価

当社は健康経営の推進が評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する健康経営優良法人ホワイト500に2年連続で選定されました。

また、2017年11月に名古屋工場 環境・安全部の高橋浩一衛生管理者が、中央労働災害防止協会より「緑十字賞(安全衛生)」を受賞しました。この賞は、長年にわたりわが国の産業安全または労働衛生の推進向上に尽くし、顕著な功績が認められる個人等を表彰するものです。

さらに2017年6月に、第26回日本健康教育学会学術大会にて袖ケ浦センター健康管理室保健師の楠本真理が、実践研究発表の最優秀演題に選ばれ表彰されました。発表した内容は、袖ケ浦センターにおける「メンタルヘルスに関する小グループディスカッション」の企画や実施のポイントなどで、全職場で試みを行った点が高く評価されました。この受賞は、日頃の取り組みが評価されたものでもあり、より働きやすい職場づくりにつながるものでもあります。

2018年1月には、当社名古屋工場が「応急手当普及活動 功労 名古屋市長賞」を受賞しました。この賞は、消防局が消防行政に貢献した市民や団体に対して感謝の意を表するものです。名古屋工場では、以前から定期的な救急法の実習を行っていますが、全社員が5年に1回以上救急法実習を受講していることが評価されたものと思われます。