安定輸送

物流環境は、運送会社などが貨物や荷主を選ぶ時代に変化しています。そのため、持続可能な物流の実現には、物流協力会社や船会社に「選ばれる荷主」にならなければなりません。当社グループは、物流の労働環境の改善やCO2の削減、BCPの観点などを総合的に考慮して、安定輸送の確保に取り組んでいます。

モーダルシフト

2017年度、当社を含む5社共同の取り組みが、国土交通省より「モーダルシフト等推進事業」に認定されました。認定された事業は、当社の市原地区(千葉県)と当社の関係会社である三井・ダウ ポリケミカルの大竹地区(広島県)間の製品輸送をトラックから鉄道に切り替えるというものです。さらに、2017年8月より日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)提供の大型コンテナを本格導入し、三井化学グループの共同物流によってコンテナラウンドユースを実現しました。これらにより、安定的な輸送手段の確保、CO2排出量70%削減、トラックドライバーの拘束時間削減を可能にしました。これは、当社グループとJR貨物、物流協力会社とのパートナーシップよる成果です。

コンテナラウンドユース:
輸送に使用した空のコンテナを戻さず、帰り荷を確保して転用すること。

コンテナラウンドユースを実現
コンテナラウンドユースを実現

市原地区から大竹地区への製品の輸送については、さらなるモーダルシフトを進めています。従来、この区間の合成樹脂(500Kgフレコン)の輸送をトラックのみで行っていました。しかし、二段積みができない当該製品の特性上、12tトラックに8t分の製品を平置きしていたため、トラックの積載率は67%に留まり、積載の効率化が課題でした。そこで二段積み用の専用ラック(意匠取得)と、このラックが収まる特殊20フィートハイキューブコンテナ(実用新案取得)を製作し、積載効率の向上を図ると同時に、コンテナ化によって内航コンテナ船へのモーダルシフトを可能としました。これらのことから、CO2の削減とドライバーの省力化を実現しました。なお、この取り組みは、社団法人日本物流団体連合会主催の「第20回物流環境大賞」 において、「物流環境負荷軽減技術開発賞」を受賞しました。

専用ラックの利用により段積みが可能に
専用ラックの利用により段積みが可能に

また、当社は国土交通省が設置している「エコレール運営・審査委員会」により「エコレールマーク認定企業」として認定されています。

エコレールマーク

同業他社との小口製品共同物流

深刻化するドライバー不足と通販需要増などを背景に、化学品の輸送が敬遠され始め、長距離小口化学品の輸送能力の安定確保は化学系荷主共通の喫緊課題となっています。
当社は2016年から、京葉地区において、近隣メーカーの工場から荷物を集荷し、共通の輸送ルートで各顧客まで配送を行う共同物流を行っています。従来は路線便会社による一般雑貨との混載輸送で、複数の積替拠点を経由していましたが、化学品専業会社を利用することで積替拠点も減り、破損等の品質トラブルが削減されました。さらに、積載率向上によるCO2削減効果も得られました。

当初は東北向けのみの取り組みでしたが、輸送先を北陸・甲信越エリアにも拡大しています。共同物流システムをより強固にするために、物流会社やパートナー荷主とともに参加会社を募りながら展開を図っていこうとしています。

共同物流システム

共同物流システム

在庫管理・出荷管理の効率化

当社は、在庫管理・出荷管理の効率化を目指し、名古屋工場にてハンディターミナル導入のトライアルを開始しました。これは、荷姿ひとつひとつに貼付するラベルにQRコードを印刷し、入庫・出庫時にハンディターミナルで読み取って、在庫管理・出荷管理を行うシステムです。従来の手書きや表計算ソフトへの入力による在庫管理に比べて、業務量の削減、さらにペーパーレス化も達成しました。また、これまで目視で銘柄名やロット番号を確認していたため誤読のリスクがありましたが、導入によって誤出荷防止にも効果を発揮しています。2019年9月から本格導入を行う予定で、その後各工場へ展開していく計画です。

ドライバーの待機時間削減プロジェクト

トライバーの労働環境改善、ひいては物流協力会社の負担軽減を主な目的として積み込みに伴うドライバーの待機時間軽減に取り組んでいます。大阪工場では、タンクローリーへの積み込み作業に事前予約システムを導入し実績を上げており、2019年度は他工場および関係会社に展開する予定です。

イニシアティブへの参加

三井化学は、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動 に賛同し、自主行動宣言を行いました。「ホワイト物流」推進運動とは、深刻化が続くトラック運転者不足に対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長への寄与を目的とする運動です。トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化、女性や60代以上の運転者等も働きやすい労働環境の実現を目指しています。当社が、自主行動宣言のなかで表明している取り組みは以下の通りです。

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取り組み項目内容、期待される効果
予約受付システムの導入トラックの予約受付システムを導入。待ち時間短縮に努めます。
パレット等の活用パレット、通い箱等を活用。荷役時間を削減します。
入出荷情報等の事前提供荷主からの入出荷情報をよりスピーディーに提供。物流事業者の準備時間を確保します。
高速道路の利用高速道路の利用と料金の負担について、真摯に協議に応じます。
船舶や鉄道へのモーダルシフト長距離輸送について、船や鉄道を積極利用。GHGガス削減に努めます。
荷役作業時の安全対策作業手順の明示、安全通路の確保、足場の設置等の対策を講じ、作業者の安全確保を徹底します。
異常気象時の運行の中止・中断異常気象が発生した際や、その発生が見込まれる際には、無理な運送依頼は行いません。

製商品の輸送によるエネルギー原単位

2018年度における製商品の輸送によるエネルギー原単位 は7.37KL/千tで、対2017年度比110.8%となりました。販売変動により製商品平均輸送距離が増加したこと、西日本豪雨の鉄道寸断による代替輸送のために輸送距離が伸びたことなどにより、エネルギー原単位が上昇しました。

エネルギー原単位 (KL/千t)

2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
6.85 7.05 6.65 7.37

製商品の輸送によるエネルギー原単位:「エネルギー使用量(原油換算KL)」 / 「製品出荷数量(千t)」

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